シャッターの寿命を考える上での目安として、設計時に想定された耐用年数・耐久回数があります。
ただしシャッターの使用状況によっては、耐用年数・耐久回数に達する前に壊れてしまうことも。
定期的なメンテナンスを行って寿命を伸ばし、より長い期間シャッターを利用しましょう。
本記事ではシャッターの種類ごとに、寿命とメンテナンス方法を解説していきます。
電動シャッターの寿命は?
ボタンひとつで開閉できる便利な電動シャッター。
各メーカーが定めた耐用年数に基づく寿命はおよそ10~15年です。
手動シャッターと比べると価格も高いので、日々のメンテナンスをきちんとして、長く使いましょう。
電動シャッターの耐用年数・耐久回数【種類別】
電動シャッターのタイプごとに、耐用年数・耐久回数を紹介します。
主な電動シャッターは、軽量電動式シャッター、重量電動式シャッターの2タイプがあります。
個々の製品ごとにも異なるので、より正確に知りたい方はメーカーのカタログやWEBサイトを参考にしてください。
軽量電動式シャッター
軽量電動式シャッターは、主に個人宅や小規模な店舗で利用されています。
防犯目的で設置されることが多く、ガレージシャッターとしても利用されています。
文字通り軽量で、停電などのトラブルが発生した際には、手動で開閉することも可能です。
シャッタースラットの厚みは0.5mm~0.8mmと薄いため、防火効果には期待できません。
メーカーが定める軽量電動式シャッターの設計耐用年数は10年、設計耐久回数は5000回開閉とされています。
大規模な施設で利用される重量電動式シャッターと比較すると、一般的に安価ですが、寿命は短い傾向にあります。
重量電動式シャッター
重量電動式シャッターは、ビルや工場などの商用施設、大規模施設で利用されています。
その名の通り、軽量シャッターよりも重さがあり、シャッタースラットの厚みも1.6ミリ以上と重厚。
防犯だけでなく防火・防煙にも効果を発揮します。
メーカーが定める重量電動式シャッターの設計耐用年数は15年、設計耐久回数は10,000回開閉とされています。
軽量電動式シャッターと比較すると、一般的に効果ですが、寿命も長い傾向にあります。
電動シャッターの寿命を示す目安は?
電動シャッターは突然寿命を迎えるわけではなく、ある程度の年数が経つと「勝手に止まる」「開閉の際に異音がする」「スイッチを押しても動かない」などの兆候を示し始めます。
そのような兆候にいち早く気づいて、寿命を迎える前に対策を講じることが大切です。
日ごろから電動シャッターを動かす際には、正常な動きを把握し、小さな異常でも察知できるようにしておきましょう。
電動シャッターが動かなくなった時は、まずは慌てずに、故障かどうかを確認してください。
「ブレーカーが落ちていた」「電源が入っていない」「手動操作に切り替わっていた」など、使用者側のうっかりミスが原因になることもあります。
電動シャッターの寿命を延ばすメンテナンス
電動シャッターの寿命を延ばすためには、適切なメンテナンスが必要です。
電動シャッターのメンテナンスは、難しいものではありません。
埃や土、雨などで汚れたシャッタースラットを小まめに拭き掃除し、注油する程度で十分です。
シャッタースラットの汚れは、水で濡らした布で水ぶきし、それでも落ちないものは中性洗剤を薄めたもので落とします。
ガイドレールのゴミなども取り、仕上げにシリコンスプレ―を吹きかければ終わりです。
こうすることで掃除することでスムーズな動作がよみがえり、不要な摩擦やサビや劣化のリスクも大きく軽減されます。
正しいメンテナンスを行い、電動シャッターをより長期間、より快適に愛用していきましょう。
手動シャッターの寿命は?
手動シャッターの寿命は10~15年ほど。
手動シャッターの種類や設置場所によっても寿命は変わってきます。
各メーカーが定める耐用年数や耐久回数、使用時にみられる寿命の兆候を意識し、交換時期の目安にしてください。
手動シャッターの耐用年数・耐久回数【種類別】
手動シャッターの設計耐用年数・設計耐久回数を、タイプごとに紹介していきます。
現在利用中のシャッターが、どこに設置されているのか、どのタイプのシャッターなのか、寿命と併せてチェックしておきましょう。
雨戸・窓シャッター
窓シャッターは、住宅の窓に設置するシャッターです。
小ぶりなものが多く、デザイン性を追及したシャッターもあります。
電動式のものもありますが、軽量で開閉しやすいため手動でも十分便利です。
外部と室内を遮断して、光や風、外からの視線を遮り、窓ガラスを守ります。
設計耐用年数は10年程度で、設計耐久回数は7000回開閉が目安となります。
開閉可能な回数は多く設定されており、快適さを保つために小まめに使いたい人にも安心です。
軽量手動式シャッター
軽量手動式シャッターは、シャッタースラットが薄く、軽いシャッターです。
家屋やガレージ、お店などに使われるもので、開閉を人力で行います。
用途が近い軽量電動式シャッターと比較すると、価格が安く、電気系統のトラブルがない点がメリットです。
ただし、人の力で開け閉めするため、「疲れる」「手間がかかる」と感じることはあります。
軽量手動式シャッターの設計耐用年数は10年程度で、設計耐久回数は5000回開閉が目安です。
重量手動式シャッター
重量手動式シャッターは、防犯性だけでなく防火性も高いシャッターです。
重さも厚さも軽量より大きくなり、コストは高くなりますが、丈夫さも勝ります。
設計耐用年数は15年と長くなりますが、設計耐久回数の目安は2000回開閉と少な目です。
シャッターの耐用年数について詳しく知りたい方は以下の内容もご確認ください。
>シャッターの耐用年数は?設計耐用年数と法定耐用年数について
手動シャッターの寿命を示す目安は?
電動シャッターと同じく、手動シャッターも突然寿命を迎えるわけではありません。
「開閉がしにくくなる」「開閉時に異音がするようになる」などの軽微な不具合が、寿命が近いことを示す兆候として現れるようになります。
これらの兆候をいちはやく察知できるよう、日頃から手動シャッターの正常な動きを意識しておきましょう。
男性の力でも開閉できないほどシャッターが重くなった場合は、巻取りシャフトのバネの劣化やガイドレールの詰まりなどが考えられるほか、シャッタースラットが曲がってしまっている可能性もあります。
無理に開けようとすると、損傷が悪化する恐れもあるため、その際には専門業者への依頼を検討してください。
手動シャッターの寿命を延ばすメンテナンス
手動シャッターの寿命も定期的なメンテナンスで延ばすことが出来ます。
週1回の簡単な掃除と、半年ごとの本格的な大掃除を組み合わせて行いましょう。
週1回の掃除は、水拭きをして埃や泥などの汚れを落とします。
これだけでもサビや摩擦のリスクを抑えることができます。
半年ごとの大掃除では中性洗剤を使い、水で落ちない汚れを落とします。
サビが浮いているのを見つけた際には、サビを落とし、サビ止めのケアを行いましょう。
異音が出たり、開閉が困難になる等の異常が出た際には、専門業者への依頼が必要ですが、そうでなければ個人でできる範囲のメンテナンスでも十分効果があります。
正しいメンテナンスを行い、手動シャッターを長く活用しましょう。
シャッターの寿命についてのまとめ
シャッターの寿命は一般的に10年~15年程度。
しかし日頃から異常を放置したり、メンテナンスを怠ったりした場合は、寿命が大きく縮むこともあります。
自分が利用しているシャッターの種類と特徴を理解した上で、適切な方法でメンテナンスを行い、寿命を伸ばしましょう。
また、寿命が大きく過ぎたシャッターを使い続けたり、不具合が出たままのシャッターを使用していると、思わぬ事故に繋がりかねません。
ある程度年月が経ったシャッターはプロに点検してもらい、安全確認を行うことが大切です。